約 349,553 件
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/196.html
依頼日【2015.10.×】 東雲先輩、深海先輩、天瀬先輩、甚目寺先輩、志島先輩と、私の6人で 秋の収穫祭に出て欲しい、というお仕事で蒼に行ってきましたっ。 参加したのは制限時間内にたくさんカボチャを採る!という競技だったのです。 個人部門と、団体部門の二種類が有って、採ったカボチャの重さが判定基準でした。 参加したのは、わたし達ハンターチームと、主婦のおばさま達と、 マッスルなお兄さん達と、理系っぽい皆さん…?でした! ちなみに、わたし達のチーム名は、東雲先輩のナイスアイディアによって 「パンプキンバスターズ」に決定したのです。 カボチャはA、B、C、Dの4つの畑と、とっても大きな巨大カボチャさんの畑が有りました! 巨大カボチャさんはすごいのです、1トン有りそうな大きさまで有りました…! …はっ。あの巨大カボチャを育てた農家さんのお話とか聞いてみたかったのです…。 4つの畑で普通の大きさのカボチャを採るか、巨大カボチャで重さを稼ぐか。 それぞれのチームで方針が分かれましたが、わたし達は巨大カボチャを採って みんなで団体優勝を目指しましょー!となりましたっ。 結果、わたしたちは巨大カボチャを2つも採ることに成功したのです。 他のチームの皆さんは、マッスルさん達は巨大カボチャ1つだけ、 主婦のおばさま達は、おいしそうな大きさのカボチャをたっくさん、 理系な皆さんは、見た目は普通なのにすっごい重いカボチャをたくさん採って、 「南瓜」チームさんが個人優勝をされたのです! お仕事で行きましたが、最後までとっても楽しかったのです! わたし達が参加することで、収穫祭が無事に盛り上がったなら良いなぁ、と思います。 来年も有るのなら、その時はお仕事じゃなくて自分で参加してみたいです! ※備考:依頼報告書の書き方を上長より指導が必要。学園ギルドへ報告済。 記入者:行成ハナ 受付補記:源 加奈
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/90.html
ギルド受付「こんにちは。ハンターカードを見せてもらってもいいでしょうか? …はい、ありがとうございます。確認しました。 今回、ハンターになったばかりの方の支援として、各ギルド長から色々な補助が出ておりますのでご活用ください。 以下の中から『一つだけ』選んでくださいね。 また、書類も多少書いてもらうことになりますので、貴方の氏名、所属しているギルドを記載して提出してください」 補助プラン 補助内容 補助プラン(お金) 20000円 補助プラン(煌石) 5個 補助プラン(両方) 12000円+煌石2個 ☆書類提出はこちらをクリック!(GM宛メール) ※以下の内容をコピー&ペーストし、記載してGM宛メールから送信してください。 PC名: 所属ギルド: 選んだプラン:
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/18.html
■ 魔術 魔力を使用してさまざまな効果を生み出す技術を総称して魔術と呼びます。 ただし、魔術=魔法ではありません。 魔法は伝承としてしか語り継がれていないもので、魔法を目にした事がある者は一人もいません。 魔術にはさまざまな種類がありますが神風学園およびハンターギルドでは神術・黒魔術・錬金術・白魔術の4つを教えており、その数は全部で48種類です。 魔術習得には、ギルド内で使えるお金で習得まで目指し、覚える事が可能です。 各魔術には1~3のレベルが存在し、習得者の能力上昇に伴ってレベルも上がります。 多くの魔術はレベルが上がることで威力が上がったり、特殊な効果が付いたりしますが、消費MPは基本的に増えます。 魔術レベル上昇による変化は個々の魔術によって異なります。 魔術は基本的にレベルの使い分けが可能で、レベル3に達した魔術でも任意でレベル1~2を使用することが出来ます。 魔術と深いかかわりのある存在として魔導と魔導具が存在します。 訓練次第で誰でも使える魔術と違い、魔導は生まれ持った素質がある者にしか使う事が出来ません。 その条件とは「精霊の声が聞ける」という事です。 これは魔導の本質とも関わるのですが、魔導とは自らの魔力と精霊の魔力を合わせて様々な効果を生み出すもので、 その威力は魔術とは天と地ほどの差があるとされており、 事実大和では過去に魔導使いにより世界そのものが消滅しかけた経緯もあります。 それ故に魔導使いは宮廷から危険視されており、監視が付くなど生活に何らかの制限がかかっています。 一方魔導具は一言で表すと「成長する装備品」で、所持者が魔術を使用する際の媒介となるものです。 魔導具は魔導とは違い、物的条件が揃っている者全員が使う事が出来ます。 条件は原則として4つで 一定レベル以上の魔術の知識がある事 ベースとなる装備品を所持している事 魔導具生成に必要な施設を使う料金を所持している事 一定ランクのハンタークラスを所持している事(Bクラスハンター以上) この4つの条件が揃っている者は全員魔導具を持つ資格があります。 犯罪者等は3・4の項目が困難なため、滅多に所持している事はありません。 ですが中には裏ルートで取引された魔導具や人から奪った魔導具を、使用したりしている者もいるので注意が必要です。 上記の理由によりハンタークラスがBまで上げる事ができない神風学園の生徒は、使う事ができません。
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/30.html
■ ハンター 粥満の施設説明でも触れましたが、ハンターとはいわゆる「何でも屋」的職業で、その仕事内容は情報収集、 探し物等から事件や遺跡の調査、魔物退治、違法組織の取締りなど多肢にわたります。 そのハンター達を取り纏め、全ての捜査権を握っているのが各都市に存在するハンターギルドです。 その中で王都である粥満に存在するものが総本部とされています。 ハンターには実力に応じて階級があり、神風学園の生徒はGクラスハンターとしてハンターギルドに登録されます。 ハンターには単独行動を好む者も中にはいますが、昨今の事件の凶悪化や規模の拡大に応じて、 4~6名での行動が主流になって来ています。 昇級するには昇級試験に合格するというのが一般的な昇給方法ですが、 上のハンターランクを目指すにはそれ以外にも必要な内容があるようです。 ハンターランクはS・A・B・C・D・E・F・Gの8種類です。 ランクが高くなる毎に、色々と特典がつきます。 またFへの昇格にはハンターポイントを溜めると自動的になることが可能ですが、 Eへの昇格時には申請および申請費がかかります。 さらに上位ランクへの昇格時には申請に加えて昇格試験があり、それを達成しなければ昇格はできません。 申請はこちらまで PC名: 名簿ID: 現在のハンターランクとハンターポイント: を入力してGM宛にメールしてください。 Fへの昇格時(30):特別報酬3000円・煌石1個追加 Eへの昇格時(50):特別報酬5000円・煌石1個追加・依頼時に武器を所持可能(武器の作成可能)/昇格に3000円必要 Dへの昇格時(150):煌石5個追加・覚えている魔術を一つ、得意魔術へと変化可能/昇格に5000円必要 Cへの昇格時(300):武器、もしくは装備品を魔導具へ強化 /昇格に10000円必要 Bへの昇格時:(NPC専用) Aへの昇格時:(NPC専用) Sへの昇格時:(NPC専用) 等々、ハンターギルドも段階によって色々な特典を解放していきます。 Sクラスハンターは名誉的な存在であり、特にギルドから特典はありませんが、 大和国内だけではなく飛鳥や出雲、それ以外の外国から広く知られる存在なのは間違いないでしょう。 また銃器や刃物、その他一般の法律で携帯及び使用が禁止されている物についてはギルドに申請して認可・登録をもらわない限り、 携帯・使用することは出来ません。 依頼で得た報酬は、ギルドの運営費、依頼時に怪我をした場合の保険を差し引き、 ハンターの生活費とギルド内で使用可能なお金に振り分けられます。 名簿、および依頼仲介所の依頼内容に記載されている金額はギルド内で使用可能なお金で、訓練やアイテム購入等に当てる事が出来ます。 ギルドではハンターの生活水準を保持する為に、生活費をギルド内で使用可能なお金に回すことを認めていません。 また、保険や依頼による現地までの交通費、 宿泊費やその他請求金額(後の調査で正当と認められる内容のみ)等はギルド側で助成しています。 ハンターカード ハンター全員に配布される電子カード型の身分証で、このカードを介して所持者の魔力を増幅させることができます。 また、パートナーシステムを利用する為にはパートナー同士でカードを接触させる必要があります。 電子化はされていますが、特殊加工が施されており磁石や耐火性がある為、通常の取り扱いに注意は不要です。 しかし、過度な力を加えると壊れる場合もあるので気をつけましょう。 持ち主の魔力にのみ反応する為、他人が使用することは不可能です。 また、作成には特殊な加工と素材を用いる為、非常に高価なものとなっています。 万が一不手際で紛失、破損した場合はハンター資格が剥奪される可能性もあります。
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/12.html
■ 蒼(そう) 大和で最も広い面積を占める都市です。 しかし都市とは言っても他の4都市に比べて中心部というものは無く、いくつかの村や町が点々とある程度で、 大和で最も魔物の発生率が高い地域でもあります。 村や町は主に農業で生計をたて、大和の農産物はほぼ蒼で生産されています。 また蒼には安全区域、危険区域、特別危険区域といった場所が宮廷によって指定され、 危険区域以上は非常に強力な魔物が出没するため、滅多に人が足を踏み入れる事の無い場所となっています。 一方安全区域は農業に従事する人々の他にも、自然を愛する人達がキャンプを行ったり海水浴をしたりするために活用されています。 安全区域の何カ所かには温泉も出るらしく、そういった場所は湯治客で賑わう事も珍しくありません。 危険区域以上の地域には準備無しで入ると迷う程の広大な森、草木が生えない死滅した地など様々な場所があり、 密林の奥には古代の遺跡などが残されているため、ハンターや命知らずの学者が踏み込んでいく事も少なくありません。 蒼への交通手段は主に陸路かリニアモーターで安全地域へと向かうのが基本となっています。 蒼の中で一番大きな町にだけは、各都市へと続くリニアモーターシステムが用意されていますが、 殆どの村や町は車での移動が基本となっています。 【蒼を象徴する建物など】 安全区域 蒼の中でも比較的危険な魔物が少なく、一般人でも生活していく事が可能な区域で、蒼にいくつか点在しています。 大抵は温泉や海水浴場の側といったレジャースポットか、農業或いは漁業場となっています。 一部には金持ち向けの別荘地もありますが、大和でも標高が高いため雪が積もるとされる山岳沿い等は、 魔物も多いためあまり利用されていないのが現状です。 危険区域 魔物の出現率が高く、いつ魔物にあってもおかしくないという場所です。 一応この区域に、村も少なからず存在します。 蒼の魔物退治の依頼がある時は、大抵は危険区域に近い村からの依頼で、 危険区域にある村にはハンターが定期的に巡回したりしているようです。 安全区域にいるような無害な魔物も多数存在しますが、 中には凶暴な魔物も存在するので一般人が危険な魔物にあってしまった場合、生還率はかなり低いと言えるでしょう。 主に森林や山岳地帯等が危険区域へと指定され、 時折危険を承知でハンターや考古学者が森の内部を調べに行く他は、人が立ち入ったりしない場所です。 現在蒼の約3分の2が危険区域に指定されています。 特別危険区域 蒼の中でも危険で強力な魔物が出る事が確認されている区域で、 高レベルのハンターでなければ相手に出来ないような魔物が多数生息している区域です。 凶暴であったり巨大であったり、その区域に棲息している強力な魔物の数は少ないものの、 うっかり入ってしまったら、一般人では確実に命を落としてしまうでしょう。 場所は蒼の西方、地図で言うと黄色い部分が該当します。 またこの区域はなぜ草木が生えないかを調査するため、腕利きハンター数名に学者と言ったチームが組まれて度々調査されています。 草木が生えない理由は此処に棲息する強力な魔物のせいでは、という一説も出ている区域です。 ハンターギルド特別危険区域支部 蒼の街からかなり離れた、危険区域内に設置されているハンターギルドの支部で、特別危険区域に近い危険なエリアです。 その分依頼内容も凶悪な魔物の討伐が多く、此処での依頼の報酬は、どれも高額が約束されています。 土地柄のせいもあって、かなり範囲も人口も少ない集落になっていますが、 ハンターの中でも若手・ベテランと多数のハンターが集まる区域となっているため、店の店員以外の道行く人はほぼハンターです。 支部長も第一線で活躍するハンターです。 柏宮鉄鉱山 遥か昔から採掘されてきた鉄鋼山で、危険区域にあるにも関わらず今も鉱夫が採掘を行っている唯一の国営の鉱山です。 現在は危険区域指定ですが、大和の鉄の3分の1はここで採掘される鉄鉱石なので、日夜葵の陸軍が警備に当たっている場所でもあります。 ちなみによく「かしわのみや」と間違われますが、「はくのみや」鉄鉱山が正しい読み方です。
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/153.html
8月18日、午前8時。 蒼の真森村に来た二人のハンターは、まず村の惨状を見て言葉に詰まった。 村の男達が片付けてはいるが、辺りは血の痕があちらこちらに飛び散っている。 「ギルドで聞いた話し以上に酷いな……」 ハンターの一人、安土優は隣にいる東雲直へと声をかける。 「依頼は、箱の処理だとよ。直、お前が紅で見たって箱と同じ可能性があるぜ」 「はい、おそらく俺が見た奴と同じ箱だと思います。何個もあるって聞きましたから。被害は確か、女と子供だけですよね?」 「ああ、ギルドからの連絡だとそうらしいな。……コガラシ、か。そう言えば俺も聞いた事ある名前だな」 二人は……と言っても主に直だけだが、男達に頭を下げて挨拶しつつ、まずはこの真森村の村長のもとへ向かった。 歩いている途中、先程の話の続きを行う。 「俺の符術の師匠である、東条慶介って奴は知ってるか? その東条から聞いた話しだと、この符術も東晋って東大陸にある国が源流らしい。 符術もそうだが、例えばお前が高校時代に上条家の呪術と関わっただろ?ああいうのの源流は、東晋って国の独自の技術らしいぜ。 今回のコガラシもその一つだ。詳細は詳しく聞いてねえし、今となっちゃお前の方が詳しいんだろうがな」 「じゃあ、コガラシって黒い箱は東晋から大和に持ち込まれたって事ですか?」 「そこらへんは詳しくは知らねえって言ったろ。ま、調査するうちにわかるだろうよ、そこら辺はな」 話をしているうちに、二人は村長の家へとついた。 元々大きくない村なため、入口から村長の家まで2キロくらいといったところか。 呼び鈴を押し、中へと入れてもらう。 村長の大塩平八(おおしおへいはち)が出迎えてくれたが、既にこの家には彼一人のようだ。台所にある血の痕が、彼の妻も犠牲にあった事を物語っている。 「すまんのう、何ももてなしもできんで」 「いえ、お悔やみ申し上げます」 「爺さん。辛い所悪いが、単刀直入に聞くぞ。原因の箱はどこだ?」 大塩は立ち上がり、ついてきなされ、と一度外へ出て、倉庫の方へと向かう。 倉庫の扉を開けると、中はガラクタや農耕具がたくさん置いてあったが、既に使われておらず蜘蛛の巣が張っていた。 足下も暫く誰も入っていないせいか、ホコリで靴の跡がつく。 中を数十メートル進むと、隅に白い箱が一つ、置かれていた。 箱からは禍々しい程の邪気を感じる。 「なっ……これは!?」 「おい爺さん、これはなんだ!?」 「……代々うちに伝わる話しが正しければ、『コガラシ』という名前の箱だそうですじゃ」 「直、お前は確か黒い箱を見たっていってたよな?俺も東条から聞いたのは黒い箱のコガラシの話しだ」 「……俺が見たのはここまで禍々しくはなかったし、色も黒でしたよ」 「……そうか。直、お前は一度ギルドに報告。応援も頼め。ただし、この村には一切他の奴は近づけるな」 「分かりました。でも、成人してる男のハンターくらいならいいんじゃないですか? さすがにこの規模の事件、二人だけで調査って言うのも難しいんじゃ……」 「いや、調査は俺とお前の二人だけだ。それだけヤバイもんだ、ほかの奴らは俺たちが倒れたらその時は託す事にする。実際、お前が見たってコガラシとは違って、気分も今すごく悪いだろ?」 安土の言うように、直はこの倉庫に入ってから、吐きそうな気分をぐっと堪えていた。 隣の安土、そして大塩も顔色はよくない。ここに留まれば留まるほど、どんどん気持ち悪さは増していく。 「まずは、この村の調査の前に、ギルドに連絡がついたら村の入口にこれを貼っていけ」 安土は直に、6枚の符を渡した。 「これは?」 「悪しきモノを外に出さないための符だ。村の中心部から、等間隔で、六芒星を描くように貼っていけ」 「了解です」 詳しくはわかなかったが、これからこの村に結界を作ろうとしているのだろう。 それほど、このコガラシの箱はヤバイものらしい。 不安気な顔の大塩に、安土が口元を笑ませて声をかける。 「安心しろ爺さん。コガラシは女と子供だけにしか効果は無い。これから、このコガラシを駆除するため、色々と下準備をしてるんだ」 「お、おおそうでしたか。ワシャてっきりもう助からんだとばかり……」 「早速依頼に取り掛かるぜ。直、行くぞ」 ☆☆☆ 8月18日、午前9時。 村長の家から離れた二人は、直はまずギルドに連絡を入れて、安土について村の入口まで向かっていた。 「あの、さっきのあれって……」 「気休め程度だが、嘘は言ってないぜ?コガラシ自体は男には効果はねえ。だが、今回の箱は系統が違う。用心するに越したことはねえだろ。 それに、気づいてるか?」 「え?」 「このコガラシ、あの倉庫から少なくとも今日は動かしてねえ。俺たちの足跡が証拠だ」 「……!」 「ああ、そうだ。俺たちの知っているコガラシより、範囲は広い。 少なくとも、あの爺さんの家と倉庫が近いから、婆さんが死んだのはまだ理解できる。 だが、入口付近でも血痕があっただろ?おそらく、あそこでも死んだ奴はいる。 そして、箱は一切動かされていない。つまり……」 「このコガラシの影響範囲は、普通のよりも遥かに強いってことですね」 「そうだ。だからまずは結界を張る。どれだけの影響力があるかわからない以上、この村に閉じ込めておく。 だから、男のハンターでも一切入れるなよ?結界を壊したら、そこから風船のように一気に邪気が外に漏れてくだろうしな」 「換えの符はねえ」というと、安土は直と別れた。 手分けして、まずは符を貼らなくては。 そして、安土がそれからの事を言わなかったということは、直自身が考えて行動をしなくてはいけないだろう。 長く恐ろしい日が、始まったばかりだった――。
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/242.html
12月中旬、午後15時(1日目)。 桐石登也の置かれている現状を整理しよう。 用事で猿渡住職へと遺骨配送サービスの遺骨届けを終えた後、猿渡と世間話をしていた。 そして突然の電話。その電話に剣幕を変えた猿渡に帰れと言われる登也。 帰る時に龍志狼が現れ、彼について地下道を進むと、そこには怪異を隔離した部屋があった。 怪異ナンバー173のだるまに頭を潰された、猿渡と二名の弟子と共に…。 『扉をまずは閉めろ!』 悪魔ウバルの助言により、登也の体が動く。 龍が逃亡した後、近くの部屋に逃げ込んだのはよかった。 しかし、一人という状況な以上、目を離す状況は必ずくる。 まず扉を閉めて、瞬きを一つ。 「うおッ!?」 きちんと閉めたはずの扉。 しかし、その扉は再び半開きになっていて、だるまが外に半身をチラつかせている。 明らかに登也も3人と同じように頭を潰そうと狙っている! 「こんな反則な奴、外に出せるかよ…!」 もう一度閉め、今度は片目だけ開いてみる。 まずは試さなくては。 そう思っていた矢先、ウバルの声が響く。 『何をしている!両目を開けろ!』 その言葉に驚き、目を開く登也。 するとすぐ目の前に、いつの間にかだるまが来ていた。 「こ、これもダメだってのか!」 『この怪異にはルールがある。抜け道など無い、ルールに則り、対処をするのだ』 ウバルの声が今は頼もしく、彼の声に頷いてみせると目をそらさぬまま素早く回り込み、外に出て扉を閉めた。 そして瞬き一つ。 またもドアが半開きになっている。 そしたら再度扉を閉める。 「…無限ループに入ってないかこれ…」 『ドアを閉めたら、僅かな時間があるはずだ。次の瞬きまで、何かできるはずだろう』 「何かって…」 なんだよ、と言おうとした登也だったが、彼が一番よく分かっていた。 猿渡住職が電話を受け、闇雲にただこの場所へと来たのだろうか? 違うだろう。 おそらく、何らかの対処法があるはずだ。 それはモノ、そうでなくては、この場所に対処するための方法が。 他の弟子に管理を任せて、世間話に興じていた猿渡の事だ。 確実に、それは第三者が見て理解できる対処法としてあるはず。 「お札か、封印方法が記されたメモみたいなものか」 『そうだ、いいぞ桐石登也。死体までは数メートル、だるまさんが転んだの要領だ』 なんでだるまさんが転んだなんか知ってんだよ、と噴き出して突っ込みたかったが、今はあえてそれには触れない。 物を色々積んであるテーブルを扉が開かないように置く。 気休めレベルだが、瞬きしたりちょっと目をそらす余裕はできるはずだ。 もちろん、念のためだるまから目を背けず、瞬きして扉が開けばすぐに戻り閉める。そして次の瞬きまで余裕があるうちに猿渡の死体まで向かう。 彼の懐を漁ると、案の定お札が3枚出てきた。 それは手にしただけで、健やかなる、清浄なる、正しいような感じにさせてくれるようなお札だ。 『よし、それをあの扉に張り付けろ。それで終わる』 ウバルに言われた通り、扉に張り付ける登也。 試しに瞬きするが、だるまはもう出てこない。 「た、助かった…」 安堵してため息を一つ。 腰を抜かすように地面にへたり込む登也。 しかし、案外あっけなく終わるものだ。 もう一度言うが、瞬きをしてももうだるまは出てこない。 顔を背けてももう大丈夫。 安心だ。 「さて、問題はこの事を誰に、どう説明するかだよな…」 『しかし桐石登也、なぜ札は4枚ある?』 「4枚?…うおッ!?マジだ!?」 『おそらく1枚は予備と考えるのが妥当だろう。だが残り2枚。このだるま以外にも――』 ウバルが話を続けようとしたが、そんな事は登也の頭には入ってこなかった。 奥の隅に、すすり泣く声が聞こえる。 男の声で、すすり泣く声が。 「誰だ…?」 『ん?桐石登也、そこの死体、何か気にならないか?』 「え?」 登也が猿渡の死体を見るが、頭を潰されている以外は特になんともなっていないように見えるが…。 『違う、その隣だ』 「あ、こっちね。は…?…な、なんだよこれ…?」 彼の目の前にあったのは、先程は頭しか注視してなかったせいか。 僧衣がズタズタに切り裂かれている男の死体だった。 こちらの僧二人の直接の死因は、頭部損傷が先か、それとも引き裂かれたことによる失血死が先か。 それくらい深い傷だ。 「…お前、か…?」 登也が声をかける。 すすり泣く声が止み、奥の隅にいた男が立ち上がり、こちらを振り向こうとした時。 『何をしている!後ろだ!』 「えー―」 登也が振り向くと、そこには真っ黒な姿のお爺さんが立っていた。 全身真っ黒。カラスのように。 そしてお爺さんが登也の首を掴むと、登也の体がずるずるとお爺さんの中へと吸い込まれる! 「ぐッ…!がッ…!」 息ができず、そのまま取り込まれ、意識を失いそうになっていた登也を呼ぶウバルの声が聞こえた――。 ☆☆☆ 「…」 「誰もいませんね…」 日野守桜と鬼ヶ原空は、本堂へとやってきていた。 ギルドから連絡を受け、本堂でちょうど蜂合わせた二人。 どうしようかと困っていたら、小僧を見つけて声をかける。 「住職ですか?…あれ?さっきまでいたのになぁ…」 その時、電話が鳴る。 その電話は暫く鳴り続いていたが、やがて切れたようだ。 「…電話、よかったんですか?」 「あれ?他の人、どこいったんでしょうかね?」 「こっちじゃない?」 空が地下道へ続く道を見つける。 小僧と桜も続いてそちらへと行くと、中の方からたくさんの僧の経を読む声が聞こえてきた。 「…なんかすごくヤバそう」 「い、行きますか…?もしかしたら登也先輩、この奥にいるかもしれませんし…」 「ちょっと待って」 空は携帯を取り出し、登也に向けてメールを打った。 『無事か?寺に到着したがそちらのお加減はいかが?なんか必要なものあるか?』 と。 勿論返事はすぐに無い。 「いこうか」 此処にいてもしょうがないし、と地下道を指さす。 頷くと、「僕はいいです!」という小僧を本堂へ置いて、二人は地下道方面へ向かっていった。 ☆☆☆ 登也が目を醒ますと、辺りは真っ暗な世界だった。 否、かなり先の方に光が見える。 「ここ…は…?」 全てがスローモーションで動いている。 登也の動きも、声も。全てが。 「う…ばる…?」 ウバルの反応はない。 無視というより、不思議な力で遮断されているかのように。 「け、いた…い」 携帯をスローなペースで取り出してみた登也。 そこは圏外になっていた。 考えていても仕方がない。 そう思い光の所まで歩き出した。 『グゴゴガガガグ』 先程のお爺さんが、ゆっくりと背後から迫ってくる! 元より動きは遅いようだが、そのお爺さんだけはスピードを変えず、元の速度のままで登也へと迫る! 普通の速度で逃げても、スローペースなため光まで向かう前にまず摑まるだろう。 何か仕掛けなくてはならない。 しかし、何もないこの世界でどうやって? 誰の助けもないまま、迫るお爺さんをどう対処するか。 正念場だ。
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/163.html
突然の眩しい光に思わず貴方たちは目を閉じた。 意識があるのか、ないのか…どのくらいの時間が経ったのか分からない。 貴方たちが目を開くと、雨は止み、学園を覆っていた霧もすっかり晴れ満月の明かりが辺りを照らしていた… 何事もなかったような静かな夜。 「……?」 貴方たちはそれぞれ別の場所にいながらもふと同じことに気づき、そして首をひねる。 なにかを忘れているような気がするが、それが何かが思い出せないのだ。 ―10年に一度の満月の夜、誰かが七不思議に近づけば、七不思議の怪異は人として存在出来る…― 知ることの出来なかったその事実は闇に消えた。 勿論、水島のことも誰一人覚えていない…ただ、誰か『もう一人』そこに居たような気がする。 …そんな不思議な感覚だけを残していた。 唯一思い出せたのは、兼田や小次郎から聞いた紫の霧についての情報。 原因は七不思議の探索によって引き起こされ、月が真上に昇る頃には自然に晴れること。 事実、今まさに頭上に輝く月と霧の晴れた空をみて、 さらには全ての魔素が元通り感じられるようになったことで事務員の池田も納得はしてくれたようだった。 貴方たちはどこか夢を見ているような状態で疑問を疑問と感じず、そのまま大学部の食堂に集まり報告会を開いた。 七つ目が空白でありながらも何故かそれにすら疑問を抱かず、二郎のツケで購入されたから揚げ弁当を食べながら…。 数日後、思い返せば七つ目が空白であることには気づくものが多いだろう。 しかしその後、学園での七不思議探索は禁止となったのは言うまでもない……… ―END―
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/222.html
魔物詳細 城ヶ崎「魔物にサーチアイをすることで、情報が載るんですよ~。不思議な書庫ですよねぇ~」 第一階層 第二階層 第三階層 第四階層 第五階層 第六階層(2月7日以降公開) 始まりと終わりの地(2月14日以降公開)
https://w.atwiki.jp/kamikaze4u/pages/167.html
◆◇ 天瀬麻衣、白神凪は大学部の図書館にやってきた。 「なんかあったら呼んで下さいよ、先輩。」 「ありがとう、白神もな。」 ここまで一緒だった白神凪は、地下閉架へと降りていく。 麻衣は軽く片手を挙げて凪を見送ると、七不思議に関する資料がないかと図書館を探索し始める。 「こういうのはホラーになるんやろか…けど、実際過去に起こってるなら依頼資料の方か…」 小さく呟きながら、怪奇現象の書籍や、過去の学園内での依頼資料などを片っ端から調べ始める。 すると、妙なことに気づく。 いくつか七不思議と思われる怪異の文章が見つかるも、どの書籍や資料も一部分が黒く塗りつぶされているのだ。 「七つ目…の部分?なんやろか……」 明らかに故意に行われたであろうその現象に麻衣は訝しげに首をかしげながらも、他の資料と違う内容が書かれているものはないかと探し続けた…。 ◇ 一方、凪は地下閉架で同じように七不思議、そして紫の霧についての資料を探した。 勿論同じ図書館内でも閉架の方が学園内での事件や不可解な出来事についての資料が多く揃っているが、逆にこの膨大な資料を一人で探すのは一苦労だ。 「…知ることが出来ない…っつーのは、記憶が操作されるってことなのか…?」 過去の資料のページを次々めくり、とにかく時間の許す限り漁っていこうとする凪。 ふと、あるページで手が止まる。 「何だこれ…怪しすぎるだろ…。」 そう呟くと、他に似たものがないか探し始め、再び手を止めた。 麻衣と同じ一部分が黒く塗りつぶされている資料を見つけたのだ。 前後の内容を確認すると、七不思議らしい怪奇現象が起きたことには違いない。 また、紫の霧についてはどの資料からも見つけることが出来なかった。 「七つ目についてか、紫の霧についてか…どっちにしても”誰か”が知られたくない何かがあるってことだよな。」 凪はふぅと小さく呼気を落としながら、塗りつぶされたページをみつめていた。 ◆◇ 深海将己は直から受け取ったドリンクを飲み、体力が回復したがそのまま食堂に留まることにした。 そこに東二郎がトイレから戻ってくる。 「おや、君は…」 「どーも。あんたに話を聞こうと思って待ってたんだ。」 淡々とした様子でいう深海に二郎は若干ビクビクした様子で、近くの椅子に腰を下ろす。 「な、なんだい?僕はちゃんと僕のルートで調べていたよ?決してサボっていたわけでは…」 「だからだよ。奇怪現象研究会とかやってんなら、なんか知ってんだろ? 紫の霧のこととか。」 それを聞くと、二郎はほっとしたように胸を撫で下ろし自信たっぷりに笑みを浮かべた。 「そりゃあ勿論だよ! 七不思議を調べると、霧が発生するということは事前調査済さ。 けど、僕の情報ではこんなに広範囲に広がるというのはなかったし、魔力を封じるなんてことも知らなかったね。」 どうだい、と言わんばかりの自身ありげな表情で胸を張っていたが、既知の情報に深海ははぁと大きくため息を漏らし、にっこりと明らかに威圧的な笑みを浮かべた。 「奇怪現象研究会を名乗るならもう少しマシな情報を探して来い」 「ひぃぃぃ。承知いたしましたぁ!」 怒鳴るわけでもないが、ただその一言でびしっと両手両足をそろえて背筋を伸ばしながら立ち上がった二郎はそのまま180度向き直り、食堂から逃げるように出て行った。 「ったく……―おばちゃん、七不思議の噂とか今出てる霧のこととか…なんか知らないすかね?」 二郎の様子に呆れた深海は立ち上がり、食堂のカウンターへと向かった。 七不思議の情報を聞き込みつつ、から揚げ定食を参加人数分、もちろん二郎のツケにして購入し他のメンバーの帰りを待つことにしたのだった。 シークレット【消された文字】を達成!